道端のノート。

僕の好きな詩を少しづつ載せてみたり、自分の詩を載せてみたり、
唯のくたびれたノートの1ページです。



2010/04/01

犯人(Guilty)


その男はどう見ても犯人に思えた。
醜悪で、貧相で、不潔だった。なにより
発見されたとき森のなかで女の遺体の
そばにいた。隣人の話では、男はいつも
リスの死骸、切り刻んだイヌ、ときには
ヘビと遊んでいたという。近寄るのを
許してくれるのはこうしたものだけ
だったからだそうだ。「おれを見てくれ」、
老人は観念したようにあっさり言った。
「おれはもうあの世にいったようなもんだが、
 死が辱めるように辱められた
 生き物は見ていられないのだ。
 道ばたの血まみれのオポッサム、アリに
 目を食われる小鳥。瀕死のネズミだって
 恥辱を思って独りになりたがっている。
 たしかにおれは女の顔の泥やからだについた
 血を拭ってやった。髪の毛を梳かしてやった。
 女の足元で、おれのイヌもやってたみたいに、
 二日間寝た。できるだけきちんと服を
 着せてやった。ほったらかしの感じだったからだ。
 草むらに捨てられたゴミみたいだった。
 男がそうしたんだからもうどうしようもないって
 感じだった。どのぐらい独りで
 いることになるんだろうってずっと考えてた。
 分かってたんだ   警察がきて女の写真を撮る、
 あられもない裸の写真が新聞に載る、読者は
 朝飯を食いなががらそれを眺める。せめて
 あの魂に準備の時間をやりたかったんだ。」



          ジャック・ギルバート(Jack gilbert)