道端のノート。

僕の好きな詩を少しづつ載せてみたり、自分の詩を載せてみたり、
唯のくたびれたノートの1ページです。



2014/07/17

懐中電灯に照らされた

沢ガニがもうもうと水底の秘密をついばんでいる
コンクリートの壁を背に赤い体を半身 泥に沈め
白いしっかりした爪を幾度もその水底に
刺す 刺す 刺す
山に雨が降り 川は増水し そしてこの様な小さな側溝にも
その分け前が流れて来たのだろう
沢ガニは懐中電灯に照らされている間一度もハサミを止める事無く
せっせと分け前を口に運ぶ
ほい ほい ほい
赤い月夜に静かな宴
今宵人間以外は誰も眠ろうとはしない。



cic