道端のノート。

僕の好きな詩を少しづつ載せてみたり、自分の詩を載せてみたり、
唯のくたびれたノートの1ページです。



2010/05/24

触知


或る男はイエスの懐に手を入れて
二つの傷痕を撫でてみた。
一人のかたくなな彫刻家は
万象をおのれ自身の指で触ってみる。
水を裂いて中をのぞき、
天を割って入りこもうとする。
ほんとに君をつかまえてから
はじめて君を君だと思ふ。


          高村光太郎