
そのとき、すべてがゆらゆらした。
海は重苦しく、激しい息吹きを運んできた。
空は端から端まで裂けて、火を降らすかと思われた。
私の全体がこわばり、ピストルの上で手が引きつった。
引き金はしなやかだった。
私は銃尾のすべっこい腹にさわった。
乾いた、それでいて、すべてを聾する轟音とともに、
すべてが始まったのは、このときだった。
私は汗と太陽とをふり払った。
昼間の均衡と、私がそこに幸福を感じていた、
その浜辺の特殊な沈黙とを、うちこわしたことを悟った。
そこで、私はこの身動きしない体に、
なお四たび撃ちこんだ。
弾丸は深くくい入ったが、そうとも見えなかった。
それは私が不幸のとびらをたたいた、
四つの短い音にも似ていた。
カミュ