道端のノート。

僕の好きな詩を少しづつ載せてみたり、自分の詩を載せてみたり、
唯のくたびれたノートの1ページです。



2012/12/13

あぁ、まずったな。


あぁ、まずったな。
夜中、ふと目を覚ましてから俺はあの夜の事を思い出していた。
実に暗澹たる夜の事。子羊の頭を斧で割った様な、そんな夜の事だった。
糞っ、糞っと二回ほど小声で唱え 
しんと冷える12月の夜の中で俺は体を小さく屈め、
またしてもこう思うのだ、あぁ、まずったな。

今夜は良くない夜だ、だがこうなってしまえば後はどうにでもなれ、
誰の餌になってもかまやしない、実際俺は冷たい海に放り込まれたのだ、
脇腹に黒鉄の鉤を仕掛けられ、遠く遠洋に投げ込まれたのだ。

月明かりの波の下で俺は無抵抗に揺られ、血の匂いを嗅ぎ付けた魚たちは鼻先でつんつん
やってくる。
それよりも鉤針が痛くて我慢ならない、抜こうにも抜けない鉤針を抱きしめて、
俺はただ耐える
しんと耐える
ただぢっと、ぢっと耐える。

あぁ、ちくしょう、なんて夜だ
あぁ、まずったな、まったく、まずった。





cic